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2009年11月5日、バンコクに赴任しました。2011年9月1日、東京に戻りました。2013年10月1日、福岡に移住しました。
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2009年10月の出張時に買った800バーツ(約2,178円)携帯。これが今のバンコクで買える最も安いクラスの携帯と思います。もちろん中古。私が買った物は10年以上前のノキア製。iPhoneを買ったことだし、このノキアは誰かにあげようか?と思って久しぶりにSIMカードを刺してみたら・・・相手の声は聞こえるんだけど、こちらの声が相手に届いてなみたい。・・・・・・-_-;) このまま捨てても良いんだけど、一応買う時に店員は「1年保証だから」と言ってた。もっとも、保証書があるわけでなし、ダメ元で買った店に持って行ってみました。買った店とは、MBKというショッピングモールの中の中古携帯専門店。メーカーとは何の関係も無い店です。

症状を伝えたとこと、店の兄ちゃん、さっそく自分の携帯に電話して確かめます。「な?こっちの声が聞こえないだろ?」。店の兄ちゃん、納得した模様。同じような古い中古の携帯と交換してくれるのかと思いきや、何とこの兄ちゃん、携帯をバラしはじめます。日本の常識からいうと、携帯の故障、しかも自分の声が相手に届かないなんて故障は間違いなくメーカー送りじゃないですか。それを、メーカーとは何の関係も無い中古屋の店頭で治せるなんてとても思えない。「ったく・・・オマエ、意味分からずただバラしてるだけだろ・・・」と思いながら、彼の作業を見守ります。

しかぁ~し!彼の手元に迷いは無い。自信を持ってバラしているのが分かる。すらすらバラす。しかも、携帯の中のある部品を取り出し、それをいきなり砂消しゴムでゴシゴシする。???何やってんだ??? しかし、ともて意味が分からずやっているとは思えない。彼の指先は自信に満ちている。
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ビスの乗った子供の顔がちょっとシュール。

結果、治ったのである。・・・これには驚き。ということはたぶん、自分の声が相手に伝わらなくなるという症状は、この機種にはよくあることなんでしょう。だから、その対処法も知っている。ちなみに、『0』のボタンがちょっと接触悪かったんですが、これはケースをカッターナイフで削って無理やり直しました^_^;)

バンコクで中古携帯があふれている理由が分かった気がします。普通、こういう故障がおきたら、先進国ではメーカー送りです。メーカーは、故障個所のパーツを丸ごと交換します。場合によっては、修理せずに新品の個体を送り返してくることもある。先進国のメーカーで、こういった交換パーツや、不良個体がその後どうなるのか?私はよく知りません。しかし、日本のメーカーが、砂消しゴムでゴシゴシやることはないでしょう。まぁ、最終的には、この携帯がどう処理されるか?ってとこが問題なんだろうけども、バンコク方式は、リユースもしくはリサイクル、という観点からは以外に優れているのではないか?という印象を持ちました。日本で周りを見回して、10年以上前の携帯を使ってる人って・・・います? バンコクには普通にいるんですよ。MBKのプチ技術者恐るべし、だね。

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魔法の砂消しゴム。出勤簿を間違って押した時以外にも使い道あるんだね。

日本(を含む先進国)では、『修理できない工業製品』が増えたと思いませんか?修理できないと言っても技術的に、ではもちろんありません。コスト的に、です。10万円で買ったパソコンが、2年後に壊れて修理代8万円。30万円で買った中古車に1年乗って、修理代が10万円。こんなのは今の日本では普通にあると思うんです。こんな時、修理せずに新しい物を買ってしまいますよね? そういうことなんです。

カメラでは私も2回経験があります。1回目はフィルム一眼時代、2回目はデジカメ。デジカメの時は、5万円で買ったものを1年後に修理に出したら(海に落としたんだけどね^_^;)、修理費の見積もりが3万円。この時点でヤフオクなどでは同じカメラが中古で2万円で売られていました。だとしたら、中古とはいえ2万円で新しいの買っちゃうでしょ?かくして壊れたカメラは修理されずにゴミになる。こういったサイクルは何とかならないものでしょうか?

時計の話。ある大手時計メーカーのエンジニアと話した時のこと。彼曰く「街の時計屋は“動けば良い”という修理をする所が多い。対して我々メーカーは“如何にして新品時の品質に近づけるか?”を考えて修理をする」。彼の言葉には誇りを感じました。一流メーカーとして、これは全く正しい姿勢と思います。それでこそ一流メーカーともいえます。しかし、そのために修理代が高くついて、結果として修理されずに捨てられる工業製品が増えるというのは、考えさせられるものがあります。

タイの携帯修理プチ技術者は、“動けば良い”な修理をする典型です。しかし、1つの工業製品を長く使うためには、“動けば良い”な発想も必要なのではないか?と考え始めています。




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