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2009年11月5日、バンコクに赴任しました。2011年9月1日、東京に戻りました。2013年10月1日、福岡に移住しました。
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8月半ばになると、思い返される日航機墜落事故。未だにこの時期になると、テレビや新聞で報道されます。この事故は衝撃的でした。この事故からもう25年も経ったんですね。

事故を起こしたボーイングの747(ジャンボジェット)は、舵を取るために4系統の独立した油圧システムを持っています。日航機墜落事故が起こった1985年時点でも、パイロットは、油圧が1系統もしくは2系統損傷しても、残った油圧系統で舵をとって着陸できるだけの訓練はしていたようです。しかし当時、4つ全部の油圧が抜けて、全く舵が効かなくなる―つまり車で言うならアクセルは効くけどハンドルが全く効かない状態―ような事故は想定していなかったのです。想定しなかったから、パイロットも訓練はしていない。だから日航機は落ちた。

日航機墜落事故の死亡者数520人という数は、単独機の航空事故では未だに世界最多です。520人の命と引き換えにできる物など何も無いとは思いますが、せめてもの救いは、この事故をきっかけに、舵が全く効かなくなった飛行機を安全に着陸させる方法に関する研究が進んだことです。日航機墜落事故の前には、ほとんど想定すらされなかった事です。

その後この方面の研究が役に立つんです。日航機墜落事故以来、舵がまったく効かなくなった飛行機が地上に着陸した事例が、私が知る限り、2件あります。

一つは、ユナイテッド航空232便不時着事故。この事故を起こした機体は、マクドネルダグラス社製のDC10です。この事故には大きな偶然が寄与しています。どういう偶然か、この便には日航機墜落事故を教訓に、舵が全く効かなくなった飛行機を操縦するための方法を研究していた同じユナイテッド航空のパイロットが、何と!乗客として乗り合わせていたのです。しかもこの非番のパイロットは、社内でDC10の教官をしていたほどの腕前。なんと言う偶然。結果、舵は全く効かないものの、左右のエンジン推力差だけを利用して、何とか空港にたどり着き、一応着陸することができました。これによって、多数の死者は出しましたが、実に185人の命が助かったのです。これは1989年の話。

その後更に研究が進んだんだと思います。2003年には同様に完全に舵が効かなくなったにもかかわらず、ほぼ完全に無事に着陸した事例があります。それがDHL貨物便撃墜事件。これはまだ記憶している人もいるかもしれません。驚くなかれ!この便は、舵が完全に効かなかったにもかかわらず、ちゃんと着陸できたのです!

日航機墜落事故は莫大な犠牲を払いましたが、その後の航空業界に大きな影響を与えて、確実に人の命を救うきっかけにもなったのです。

改めて、日航機墜落事故で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
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